島根県石見地方の伝統芸能
石見神楽(いわみかぐら)は、島根県西部・石見地方に古くから伝わる伝統芸能です。その起源は平安時代まで遡ると言われ、元来は五穀豊穣を願い、神々に奉納するための神事でした。
時を経て、その舞はより演劇的でダイナミックなものへと進化を遂げました。独特のテンポである「八調子」のリズム、金銀糸を織り込んだ豪華な衣裳、そして表情豊かな面。これらが一体となり、観る者を神話の世界へと引き込みます。
現在では日本遺産にも認定され、地域の祭りだけでなく、国内外のホール公演など、エンターテインメントとしても高い評価を受けています。
一度観たら忘れられない。
五感を刺激する3つの特徴。
最大の特徴は「八調子」と呼ばれる軽快かつ激しいリズム。重たい衣裳を身に着けながらも、演者が舞台狭しと飛び回る躍動感は圧巻です。
金糸・銀糸をふんだんに使用した刺繍衣裳は、1着数百万円とも言われます。照明を浴びて煌めくその姿は、まさに動く伝統工芸品です。
大太鼓の地響きのような重低音、小太鼓の軽快なリズム、手拍子の金属音、そして哀愁を帯びた笛の音色が、観る者の高揚感を煽ります。
古事記や日本書紀を題材にした物語。
勧善懲悪の分かりやすいストーリーも魅力のひとつです。
須佐之男命(すさのおのみこと)が大蛇を退治する、石見神楽の代名詞。複数の大蛇が絡み合い、火を噴く様は圧巻のスケールです。
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商売繁盛の神様、恵比須様が鯛釣りをする祝賀の舞。客席に「福(飴)」を撒くパフォーマンスがあり、笑顔に包まれる演目です。
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黒雲に乗って飛来する大悪鬼・塵倫と、仲哀天皇の戦い。不気味な鬼の面や、激しい立ち回りが見どころの武勇伝です。
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石見地方では、毎週のようにどこかで太鼓の音が響いています。
ぜひ現地で、その熱気を肌で感じてください。